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『失踪者』(しっそうしゃ、Der Verschollene)は、フランツ・カフカの長編小説。1912年-1914年執筆。故郷を追放されたドイツ人の少年カール・ロスマンが、様々な出来事に遭遇しながら異国アメリカを放浪する様を描く未完の作品。生前は未発表であったが、第一章にあたる部分のみ「火夫」のタイトルで生前の1913年に発表された。 この作品はカフカの死後の1927年、『審判』『城』に続いて友人マックス・ブロートの編集によって『アメリカ (Amerika)』の題で刊行された(刊行は最後になったが、執筆時期は三作の中で最も早い)。カフカの草稿自体には作品タイトルはなく、ブロートは生前のカフカが「アメリカ小説」と表現していたことに基いてこのタイトルをつけ、これが長い間これが作品名として流通していた。しかしその後、カフカが『失踪者』のタイトルを予定していたことが日記から判明し、1983年の批判版全集以降は主に『失踪者』のタイトルが用いられるようになった。 == 成立 == 『失踪者』は1911年末に着手され、1912年8月にかけて第一稿が書かれた。この第一稿はカフカ自身によって破棄されており残っていない。現在残っている第二稿に当たるものは1912年9月26日に書き始められたと考えられるもので、これは同月22日から23日にかけて短編「判決」を書き上げた直後にあたる。この第二稿はカフカの6冊目の日記帳にて書き始められており、この日記帳が尽きたあとはそれ以前の日記帳の余白に続きが書かれている。その後『変身』の執筆などをはさんで書き進められていたが、1913年1月頃に行き詰まり中断し、1913年5月に第1章のみ「火夫―ある断章」の題で、クルト・ヴォルフ社から薄い本の形で刊行された。その後1914年8月になって再び『失踪者』に着手し、いくつかの断章を書き上げたものの最終的に未完のまま放棄された。 カフカ自身はアメリカに行った経験はなく、作中のアメリカの描写はすべてカフカの想像によるものである。カフカの従兄弟には両親の手でアメリカに送られた者がおり、また別の従兄弟は14歳の時に女中との間に子供を作っていて、これらのことから作品の着想が得られたと考えられている(アンソニー・ノース『カフカ家の人々』参照)。 主人公カール・ロスマンの年齢は草稿では17歳だが、第一章にあたる部分を「火夫」として発表する際の清書では15歳に改められ、最終的に公刊された際さらに16歳に改められた。マックス・ブロートの編集による『アメリカ』では「火夫」の原稿をそのまま用いたためロスマンは16歳に、その後の手稿版全集では草稿に基づいて17歳に設定されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「失踪者 (小説)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Amerika (novel) 」があります。 スポンサード リンク
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